菱形筋は頸椎から肩甲骨内側縁に付着する上部を小菱形筋と胸椎から肩甲骨の内側縁に付着している下部の大菱形筋の2つに分けられる。
小菱形筋の方が多少下方回旋の作用は大きいが、この2つの作用はほとんど変わらない。

小菱形筋
起始
C6,7~C7,Th1(頸椎6,7番〜頸椎7番,胸椎1番の棘突起)
停止
肩甲棘上の肩甲骨内側縁
支配神経
肩甲背神経
C5
作用
肩甲骨内転、下方回旋、挙上
大菱形筋
起始
Th1,2~Th4,5(胸椎1,2番〜胸椎4,5番の棘突起)
停止
肩甲棘下の肩甲骨内側縁
支配神経
肩甲背神経
C5
作用
肩甲骨内転、下方回旋、挙上
これら2つの菱形筋は肩甲骨に付着していることから、肩甲骨の安定性を保ってくれている筋肉になります。
姿勢不良による肩こりでは、僧帽筋についで、この筋にも、違和感、痛みが感じられることもある。
菱形筋の弱化、機能不全によって猫背のリスクも高まります。
菱形筋の活性化、ローイングなどによって強化も必要となる。
ローテーターカフ(回旋筋腱板)、前鋸筋、外腹斜筋との筋連結がみられるので、それぞれの機能不全、緊張によって菱形筋が伸長されてしまい、コリ、痛み等につながる可能性もあります。
猫背のような姿勢で、前鋸筋、外腹斜筋などの機能不全が起こってくると菱形筋が最終的に肩甲骨を支えてくれている筋肉となり、過度な緊張が起こり肩甲骨の外転が起こっている状態で、下方回旋の作用が強く働いた状態が作られてしまうので肩関節の挙上ができなくなってしまうリスクもある。
肩甲骨の挙上も少なからずあるので、怒り肩のようなアライメントを引き起こす可能性もある。