前鋸筋は肩甲骨内側から第1〜第8または第9肋骨に付着している筋肉でボクサー筋とも呼ばれています。
起始
第1〜第8または第9肋骨外側面
停止
肩甲骨内側縁
支配神経
長胸神経
C5~C7
作用
肩甲骨の外転、上方回旋、下制、肋骨の挙上(肩甲骨固定時)
前鋸筋とはその名の通り鋸のような筋肉であり、小胸筋とともに肩甲骨の安定性を保ってくれている筋肉である。ボクサー筋とも言われる所以はパンチした際のインパクトに負けないよう肩甲骨外転時に安定させ、さらに押し込むような瞬発的な筋発揮をしてくれているからである。
この筋肉によって多くの四十肩、五十肩などの疾患に関わりがあると言えます。
肩甲骨の外転の作用がある前鋸筋ですが、過度な緊張、機能不全となることで肩甲骨が外転した状態のまま肩関節の拘縮が起こることにより可動域制限がかかり、肩関節の外転動作がうまく行かないなどが起こってきます。その場合は前鋸筋の活性化などを行うことで改善される場合があります。
前鋸筋は外腹斜筋と起始部を共有しており、外腹斜筋の起始部も同じく鋸状になっており、噛み合わさるように付着しています。
外腹斜筋の機能不全によって、胸椎回旋動作、肩関節の拘縮のリスクもあります。