前脛骨筋はいわゆるスネに当たる部分の筋肉であり、歩行動作の安定性などを担っています。
起始
脛骨上方2分の1外側面
停止
第1中足骨基底面
支配神経
深腓骨神経(L4~S1)
作用
足関節背屈、内反
前脛骨筋は適度に足関節を背屈(つま先が下を向かないように)してくれています。
よくあるフィットネスなどのグループレッスンなどでは見た目を良くするためかつま先を伸ばした状態での腿上げなどがありますが、このような動作を覚えてしまうと、つまずく恐れがありますのでやめた方がいいトレーニングフォームと言えるでしょう。
特に、高齢になればなるほどこのような動作はNGであると言えます。
前脛骨筋においては縮むことができないなどのエラーが出やすい筋でもあるので、リリースなどは有効でしょう。
前脛骨筋の走行を見てもわかるように、足関節の内転作用があります。
O脚のような方は、過度な収縮によりO脚顔こている可能性もありますのでリリースの対象になるでしょう。
前脛骨筋との筋連結を考えると、股関節の大腿直筋などの屈筋群との連結が見られるため、前脛骨筋の背屈をした上での股関節屈曲動作を取り入れたトレーニングが望ましいです。
トレーニングすべき対象としては下腿が外方へと向いている、X脚になっている方などに当てはまるでしょう。
前脛骨筋の作用として、足関節の背屈がありますが、足関節の背屈制限がある場合は前脛骨筋にあるわけではなく、脛骨、腓骨間の骨間膜によるのもが多いです。
脛骨、腓骨間を距骨がうまく入り込めず背屈制限がかかっている状態です。
つまり、骨間膜の柔軟性が無いために背屈できない状態です。このパターンでは、骨間膜のリリースもしたほうがいいでしょう。
足底部のアーチの形成にも影響します。
内反捻挫との関係もあります。
足関節の外反可動域よりも内反可動域の方が明らかに広いので内反捻挫をしやすい傾向があります。
先程のX脚でも書いた通り、前脛骨筋には内反作用がありますので、X脚などの方は注意が必要です。