・筋肉は筋膜によって包まれており、腱、筋繊維によって構成されている。
付着部分は起始、停止と呼び、身体の中心に対し近位部を起始(筋頭)、遠位部を停止(筋尾)と呼ぶ。
筋肉の中央部分を筋腹と呼ぶ。
筋肉の作用は、原則、停止部から起始部にそって筋発揮をする。
・筋肉の形状にはいくつか種類があり、紡錘状筋(平行筋)、羽状筋、半羽状筋に分類される。
紡錘状筋は起始部から停止部に対して直線に走行している筋である。
羽状筋は腱から羽のように筋繊維が走行している筋である。半羽状筋については羽状筋を半分にしたような走行になっている。
これらは筋力の差が生じ、筋力の差は生理学的断面図における断面面積によって判断される。
解剖学的断面図は起始停止を直線で結んだ線に対し垂直の断面
生理学的断面図は筋の走行に対して垂直の断面
生理学的断面の面積が紡錘状筋より、羽状筋の方が大きいことから筋力が強いとされる。
筋力にはそのほかに神経支配比、速筋繊維割合、全か無かの法則が影響する。
全か無かの法則とは一つの筋肉の筋発揮において、筋繊維の働きが100%か0%しかないということである。つまり、例として70%の筋発揮をしており場合、全体の筋が70%筋発揮しているのではなく、全体の筋の70%の筋が100%筋発揮しており、残り30%の筋は0%の筋発揮となる。
筋繊維は3つに分類される
速筋繊維(白筋)ー無酸素性運動に優れた強力な筋発揮をする
中間筋(ピンク筋)ー速筋繊維、遅筋繊維へと変化する
遅筋繊維(赤筋)ー持久性に優れた筋繊維である
これらに分類される筋繊維割合は遺伝的要素が強いものとなる。
遅筋繊維から速筋繊維に変化することはほぼないとされているが、速筋繊維から遅筋繊維への変化はあるとされている。努力次第では遅筋繊維割合を増やすことは可能であるとされている。
・筋膜ー(浅筋膜ー深筋膜ー筋外筋膜ー筋周筋膜ー筋内筋膜)
上記記載の各筋膜は左から順番に浅層→深層となる。
浅筋膜は一番表層の筋膜となり、脂肪を包んでいる筋膜となる。
リリースの際は皮膚をさするだけでリリースが可能であるほど表層に位置している。
浅筋膜は身体全体を覆っており、浅筋膜のみを取り出した場合ヒトの形となる。
・筋肉ー(筋ー筋束ー筋繊維ー筋原繊維ー筋節)
筋肉は小さな束が束となり筋となる。
各段階で筋膜によって包まれており、束が形成されている。
最小単位として筋節となり、筋節(サルコメア)はアクチン、ミオシンによって形成されており、アクチンがミオシン側に滑り込むようにして筋収縮が起こる。
これをフィラメント滑走説という。
筋肉が最大限、伸長、収縮を起こした時の状態のことを以下のように呼ぶ。
筋が最大限伸びて動かない状態をー受動的不全
筋が最大限収縮して動かない状態をー能動的不全
・作用ー(内転ー外転ー内旋ー外旋ー屈曲ー伸展ー底屈ー背屈)
関節にはそれぞれ作用(動作)があり、上記のような各表現をする。
内転ー内側に閉じるような動作
外転ー外側に開くような動作
内旋ー内側に捻るような動作
外旋ー外側に捻るような動作
屈曲ー関節を折る動作
伸展ー関節を伸ばす動作
底屈ー手関節、足関節において下方に伸ばす動作
背屈ー手関節、足関節において上方に持ち上げる動作
筋肉の作用においてどのように働くか各筋肉によって異なる。
立位時の腹直筋、脊柱起立筋であれば、身体が折れないように同じ長さを保つ筋発揮。
腕立て(プッシュアップ)、ベンチプレスのような筋肉が縮むような筋発揮。
着座時にすぐに落ちないように筋が伸ばされながら起こる筋発揮。
それぞれ場面や各筋肉によって収縮動作が異なる。これらをこう呼ぶ。
アイソメトリック(等尺性収縮)ー同じ長さを保つ筋発揮(持久力)
アイソトニック(等張性収縮)ーコンセントリック・エキセントリックを含む
コンセントリック(短縮性収縮)ー筋を収縮しながら筋発揮
エキセントリック(伸長性収縮)ー筋が新調されながら筋発揮
アイソキネティック(等速性収縮)ー速度が一定の状態で筋発揮
各筋の筋発揮のタイミングによってトレーニング種目を選択する。