大腿筋膜張筋は股関節の外転に働き、中臀筋、大臀筋、内転筋群などの機能不全による過度な緊張が見られることもある。

起始
ASIS(上前腸骨棘)
停止
腸脛靭帯を介して脛骨外側顆
支配神経
上臀神経(L4~S1)
作用
股関節外転、内旋
大腿筋膜張筋は数少ない内旋作用のある筋肉です。
腸脛靭帯を介して脛骨外側顆についていますが、腸脛靭帯が大腿骨外側上顆にぶつかって起こる腸脛靭帯炎というものがあります。腸脛靭帯の拘縮が起きているのでリリースなどの対処も必要です。
腸脛靭帯が原因でX脚や内股などの原因ともなりますが、これらの場合、大腿筋膜張筋、腸脛靭帯などの外転筋が弱い、強いという考え方ではなく、内転筋群などの機能不全によるものであると考える必要があります。内転筋群が使えていないが故に内側側と外側側の双方がバランスが取れていないという考え方です。
大腿筋膜張筋及び腸脛靭帯と連結が見られる外側広筋、中間広筋、大腿直筋、臀筋群などの外転方向に働く強い筋との連結も見られるので、内転筋群、内側広筋などの強化が必要となるケースも多いです。