小胸筋は烏口突起と呼ばれる肩甲骨が前面に突起している部分から第3〜第5肋骨の前面に付着している。

起始
肩甲骨の烏口突起内側
停止
第3〜第5肋骨と肋軟骨連結部の前面
支配神経
内側胸筋神経
C8~T1
作用
肩甲骨の下制、下方回旋、外転、肋骨の挙上
小胸筋は肋骨を引き上げる作用を持つので胸式呼吸として作用するので吸気筋でもある。
小胸筋は烏口突起に付着していることから肩甲骨の安定性を保つ上で重要な筋肉である。
この小胸筋と密接に関係しているのが胸郭出口症候群(部位によっては斜角筋症候群、肋鎖症候群、小胸筋症候群とも呼ばれる)である。
小胸筋の背面には腕神経叢が走行しており、小胸筋が過度に緊張してしまうことで腕神経叢が圧迫されてしまい、腕、手の痺れや痛みが起こるリスクがある。
そのほかに、乳がんの際に摘出手術によって小胸筋が切断される場合もある。
となると、肩甲骨の安定性がなくなるため、肩関節の可動性が失われることもある。