ローテーターカフ(回旋筋腱板)とは肩甲骨に付着するインナーマッスルとも呼ばれる4筋を示す。
棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋
起始
棘上筋 棘上窩
棘下筋 棘下窩
小円筋 肩甲骨外側縁
肩甲下筋 肩甲下窩
停止
棘上筋 上腕骨大結節稜
棘下筋 上腕骨大結節稜
小円筋 上腕骨大結節稜
肩甲下筋 上腕骨小結節稜
支配神経
棘上筋 肩甲上神経(C5~C6)
棘下筋 肩甲上神経(C5~C6)
小円筋 腋窩神経(C5~C6)
肩甲下筋 上位及び下位肩甲下神経(C5~C6)
作用
棘上筋 肩関節外転30°
棘下筋 肩関節外旋
小円筋 肩関節外旋、内転
肩甲下筋 肩関節内旋
ファーストポジション 肩関節下垂位
セカンドポジション 肩関節90°外転位
サードポジション 肩関節90°屈曲位
これら3つの1st,2nd,3rdポジションによってそれぞれの筋が強く作用する。
1stにおいては棘上筋が強く働きます
2ndにおいては棘下筋が強く働きます
3rdにおいては小円筋が強く働きます
それぞれ筋発揮のタイミングが異なります。
肩甲下筋においては、上腕骨に対しての内旋動作が一番強い筋になります。
棘上筋はインピンジメント(挟み込み)が起こりやすい筋肉となります。
インピンジメントにより痛みが生じ、肩がうまく上げられないなどの症状が出てきます。
肩峰と上腕骨頭の間に走行している棘上筋が挟まれ痛みが生じます。つまり、上腕骨頭が引き上げられすぎてしまっている状態となります。
棘上筋のインピンジメントは棘上筋が原因で起こるケースが多いです。
棘上筋が上腕骨頭を引き上げ、挟み込みが起きている状態です。
この場合は、棘上筋のリリースをしてあげることにより改善可能です。
ですが、棘上筋が強く緊張している根本的原因を改善しないことには再び痛みが生じますので原因の特定、改善が必要となります。
その他のローテーターカフの筋群による上腕骨頭の引き上げや、上腕二頭筋、上腕三頭筋などによって起こる可能性があります。
その他、引き下げる作用の広背筋の弱化によって引き上げられてしまっている可能性も考えられます。
菱形筋、前鋸筋、小胸筋、僧帽筋などの肩甲骨の安定性を保ってくれている筋の弱化、機能不全によって起こっている可能性も考えられます。
これらの場合、筋活性をさせてあげることにより肩甲骨の安定性が高まり痛みの緩和に繋がります。