横隔膜は主に、呼吸に働く吸気筋です。腹式呼吸と言われる呼吸に働きます。
起始
剣状突起、第7〜第12肋骨肋軟骨
右脚:腰椎1〜3番 左脚:腰椎1〜2番
停止
腱膜によって構成される腱中心
神経支配
横隔神経(C3~C5)
作用
胸腔の拡張、腹腔の収縮
横隔膜は剣状突起をはじめ、肋骨から腰椎に付着し、ドーム状になっています。
横隔膜が収縮することにより肺が膨らむスペースができ、呼吸ができるような構造になっています。
呼吸には大きく腹式呼吸と胸式呼吸に分かれます。
呼吸は自律神経と大きな関わりがあり、自律神経に唯一アプローチできるのが呼吸と言われています。
腹式呼吸では副交感神経優位に、胸式呼吸では交感神経優位となります。
胸郭が開いているリブフレアのような方は、胸式呼吸優位になっていおり、横隔膜の可動性が制限されています。呼吸は浅くなり、交感神経優位になり睡眠や腰痛などに影響が出てきます。
横隔膜は腰椎に付着していることから椎間内圧とも関係があり、横隔膜が収縮することによって腰椎を上方へと引き上げてくれる作用があるので椎間内圧の緩和をしてくれます。
胸腰筋膜に付着しているので、他の広背筋、大臀筋、脊柱起立筋、多裂筋、内腹斜筋、腹横筋、腰方形筋、大腰筋などとともに横隔膜が付着しているのでこれらとの関連性もあります。
横隔膜が引き下がることにより内臓に圧がかかり腹腔内圧を高める働きをしてくれています。腹腔内圧が高まることにより内側から腰椎を支えてくれています。胸郭が開いてしまっている肩などは腰痛のリスクなどが高まります。
骨盤底筋群との向き合うようなアライメントが腹腔内圧を高める最適なポジションであるといえます。
横隔膜が収縮した際に、骨盤の過前傾、胸郭が開いてしまっているとベクトルが前下方に向いてしまうため腹圧が抜けてしまいます。
腹腔内圧を維持するためにはその他、腹筋群の働きも必要となります。特に腹横筋は腹腔内圧に強く働きます。
自律神経によって睡眠や痛みなどに影響してきます。就寝の際は当然、リラックス状態である副交感神経優位であることがベストですが、腹式呼吸が上手くできないひとはさまざまな影響が出てきます。
ストレスにも繋がることもあるので注意が必要です。
腹式呼吸を誘導する方法として、脊柱の屈曲を作った状態での呼吸が挙げられます。