大臀筋はいわゆるお尻の筋肉であり、上方繊維と下方繊維に分類されます。
起始
上後腸骨棘、後臀筋線、仙骨後面下部2分の1外側、尾骨外側縁、仙結節靭帯
停止
上部繊維 大腿筋膜(腸頸靭帯)
下部繊維 臀筋粗面
支配神経
下臀神経(L5~S2)
作用
股関節伸展、外旋、外転
大臀筋はヒップアップトレーニングで積極的にトレーニングされる筋でもありますが、お尻の位置は姿勢に依存するため、トレーニングによる筋肥大でヒップアップするわけではないことを理解しておきましょう。
大臀筋の筋発揮のタイミングは歩行時、走行時などの着地時となりますので、新調された状態での筋発揮となります。ですのでヒップスラストなどの股関節伸展後期に筋発揮をするようなトレーニングは不向きであると言えます。むしろ、正しい使い方ができなくなってしまう恐れがあります。
大臀筋の上部繊維は腸頸靭帯と連結していることから、内旋作用もあります。屈曲70°以上で内旋作用があると記載してある文献もあります。
作用的な強度として、外転>外旋となります。
内股の方は上部繊維が積極的に働いている可能性もあります。腸頸靭帯との連結があるので、外側広筋、中間広筋、大腿直筋など大腿四頭筋との筋連結も見られます。
下方繊維の作用は外旋<伸展となります。
大内転筋との筋連結が見られますので、内転作用を用いたトレーニングなどが効率的であると言えます。例としてデッドリフトの際に膝の間にボールを挟むなど
骨盤が後傾して大臀筋が短縮位になっている姿勢の時に大臀筋が緊張していることがフォーカスされる場合がありますが、むしろ使えていないのではないか、という疑問を持つ必要があります。
立位の場合、骨盤の後傾は重力に逆らっているわけではないので、むしろ大臀筋は緩んでいる状態にあります。この場合、拮抗筋である大腰筋、腸骨筋の骨盤が後傾しないよう耐えている状態にあります。
これらを考えると、筋肉の作用と使用とではマッチしないことがわかります。